おさんぽコースの定番【谷根千】の魅力を新規開拓!

おさんぽコースとして人気の高い谷中・根津・千駄木を結ぶ“谷根千エリア”。今回は、そんな谷根千エリアの魅力を新規開拓すべくおさんぽに。すると、ブックカバー専門店や招き猫の絵付け体験ができる体験型カフェ、たわしの専門店など、ユニークで個性的なお店とたくさん出会うことができました!
気ままな谷根千さんぽで、情報あふれる谷根千らしさをたっぷりと感じてみてください♪

今回のおさんぽルート

日暮里駅→①旅するミシン店→②カフェ猫衛門→③招き猫 谷中堂→④亀の子束子 谷中店→根津駅

行程:1.6km
所要時間:20分+買い物+絵付け体験
予算:3,000円

まずは、谷根千エリアのスタート地点の定番、JR日暮里駅からおさんぽスタートです!

駅をまっすぐ歩くとすぐに現れるゆるやかな御殿坂(ごてんざか)をのぼっていきます。

そのついでに、1950年代からあり、谷中の観光スポットとして有名な「谷中ぎんざ」をちらり。たくさんの人が行き来をしていて、遠目からでも活気があるのがわかりました!

【1】旅するミシン店

まず最初に足を止めたのが、駅から歩いて5分ほどの場所にある「旅するミシン店」。店名だけを聞くと「ミシン屋さん?刺繍屋さん?」と思ってしまいますが、オリジナルのブックカバーを販売するお店なんです。珍しいブックカバーの専門店に、早くも興味津々!

個性豊かなブックカバーは、思わず衝動買いしてしまう愛らしさ!

こぢんまりとした店内には、文庫本、単行本、新書、少年コミックス……などなど、さまざまなサイズの本に対応したブックカバーがずらり。お店には、個性豊かなブックカバーに惹かれた読書好きな方や、谷根千エリアをおさんぽしている途中で偶然見つけた方、ご近所の方など、さまざまな人たちが訪れます。

描かれている動物たちは、すべて店主・植木ななせさんが手掛けたオリジナルキャラクター。

一枚一枚手作りされたブックカバーにはすべて、店主でイラストレーターの植木ななせさんが生み出した、愛嬌たっぷりの動物のイラストが描かれています。また、イラストは消しゴムハンコを使って描かれたものが多く、素朴で優しい風合いを生み出しています。

左は人気のキャラクター「ねこのクスコ」、右が2022年の干支であるトラのキャラクター。

また、ブックカバーの裏地には色とりどりのプリント柄や伝統織りが使われています。表面のイラストとの組み合わせはランダムなので、ほとんどが一点もの。そのため店頭では、表のイラストと裏地の柄を見て、じっくりとお気に入りの一点を選ぶことができるんです♪

さらに、ブックカバーはリバーシブルなのも魅力的。気分に合わせて、本の装いをいつでも変えることができるんですね。

手提げがついたブックカバーのギフト用ラッピングは、さらに気持ちを高めてくれます♪

薄くて軽く、お値段も手ごろなブックカバーはプレゼントにも人気です。リクエストをすれば、無料でギフト用に包装してくれますよ。こんなに可愛らしいラッピングをしてもらえたら、読書好きなあの人につい買ってあげたくなりますよね♪

「旅するミシン店」というユニークな店名にはさまざまな意味が込められていますが、そのひとつが「旅のおともになるような商品を提供したい」という想い。その名の通り、店内にはブックカバー以外にもバラエティー豊かな商品が並んでいます。オリジナルのお菓子やコーヒー、開発途上国の生産者をサポートできるピープルツリーのチョコレート、手ぬぐいやポストカードなど、魅力的な商品の数々に、思わず目移りしてしまうでしょう。

好きなキャラクターを見つけて選ぶのもよし。プレゼントする人のことを思い浮かべて選ぶのもよし。お店に足を運べば、ブックカバーも他の商品も、お気に入りの一点を見つけることができます。世代を問わず、色んな楽しみ方ができる素敵なお店でした♪

旅するミシン店
東京都台東区谷中7-18-7-1F
※不定期営業のため、営業時間はHPからご確認ください。
https://tabisurumishinten.com/

【2】カフェ猫衛門

幕末に築かれた江戸情緒あふれる土塀は、谷中を象徴する観光スポットです(写真右手)。

続いて、再び根津エリアを目指して歩いていきます。細い路地を入ると、国指定の有形文化財に登録されている観音寺の築地塀(ついじべい)を発見!

谷中に来た記念に、塀の前で撮影してみるのも良いですね。

©️2022 西井 大樹

それから5分ほど歩き、お次はカフェを楽しみながら招き猫の絵付け体験ができる「カフェ猫衛門」を訪問しました。築90年以上の長屋を改装した建物は、ものすごく風情があります!

©️2022 西井 大樹 木の温もりを感じられる趣のある店内。

寺町としての歴史を持つ谷中は、昔からねずみ退治のために猫が飼われていたことから、猫が多く住んでいる街でした。現在でも「猫の街」と呼ばれ、猫は街のシンボル的な存在になっています。

そんな「猫の街」である谷中で、縁起の良いオリジナルの「招き猫」を作成できるなんて記念になりますよね。

 
©️2022 西井 大樹 招き猫の絵付け体験は、招き猫一体につき2,200円~。所要時間は30分~1時間ほどです。

さっそく私も、招き猫の絵付け体験にチャレンジしてみました♪

まずは数種類の招き猫の型から、絵付けする型を選びます。猫の手の上げ方によって、右手は「お金を招く」、左手は「人を招く」、両手は「どちらも招く」と、それぞれに意味が込められているんです。う~~ん。悩むけど、私は右手を上げる猫ちゃんをチョイス。お金は大切ですから!(笑)

©️2022 西井 大樹

絵付けする型を選んだら、次は下書き用の紙と絵付け用のペンが手渡されます。まずはどんな柄にするかじっくりと案を練って、紙に下書きをしてから本番の型に絵付けしていきます!

「どんな柄にしたらいいのか迷ってしまう」という方もご安心を。絵付けする前に、店員さんが見本の招き猫を持ってきてくれます♪

私も見本を参考にしながら、イメージを膨らませて下書きをしていきました。

©️2022 西井 大樹

どんな柄にするか決まったら、次はいよいよ本番です! 一筆目がドキドキする~~!

©️2022 西井 大樹

下書きを見ながら、慎重に色を塗っていきます。招き猫の型はデコボコなので、想像よりも難しい! でも、招き猫に命を吹き込んでいるようで、手を動かしていくうちにどんどん楽しくなってきました♪

また、絵付け体験が始まると同時に「肉球マドレーヌ」とコーヒーのセットを運んできてくれるため、体験中に一息つくことができます。優しい甘さのマドレーヌと、ほろ苦いコーヒーが絵付けで力んでいた心と体をやわらげてくれました。

©️2022 西井 大樹

そしてついに、オリジナルの招き猫が完成!

途中で手がぷるぷる震えてどうなることかと思いきや(笑)、意外と上手にできて大満足!
自分の手で仕上げたからか、愛着もひとしおです♡

ちなみに、絵付けに来るお客さんは、おうちで飼っている猫をイメージして描く方や、愛犬(!)そっくりに仕上げる方、好きなキャラクターをモチーフにする方など、もはや猫の枠を超えたユニークな発想で絵付けを楽しんでいるみたいです。

最後は、招き猫を乗せる座布団とともに丁寧に包装してくれます。家に帰ったあと、さっそく飾ってみました♪なんだか、飾っておくと良いことがありそう!

招き猫の絵付け体験は、お店のホームページから予約ができます。谷中に訪れたときは、思い出作りに自分らしいオリジナルの招き猫を作ってみてくださいね♪

カフェ猫衛門
東京都台東区谷中5丁目4-2
03-3821-0090
営業時間:11:00~18:00
定休日:月曜(月曜が祝日の場合は翌日定休)
https://www.yanakado.com/c_nekoemon.html

【3】招き猫 谷中堂

©️2022 西井 大樹

絵付け体験をしたあとは、「カフェ猫衛門」の2軒隣にある「招き猫 谷中堂」にも立ち寄ってみました。こちらは「カフェ猫衛門」より先にオープンした姉妹店で、手作りの招き猫を販売するお店です。

提供:招き猫 谷中堂 店内には、多彩な招き猫や猫グッズが勢揃い!
提供:招き猫 谷中堂
提供:招き猫 谷中堂

谷中堂の招き猫は、ほとんどがデザイナーが手描きで描いたオリジナルなんだそう。一つひとつ微妙に顔が違うので温かみを感じられるほか、“お気に入りの一匹”に出会うことができますよ♪

提供:招き猫 谷中堂

また、おうちで飼っている猫ちゃんの画像から、型を起こして細密に彩色していく「マイ招き猫」の注文も可能です。猫好きな方には、なんともうれしい商品!

オーダーメイドの招き猫で、おうちにたくさん福を呼び寄せちゃいましょう♪

招き猫 谷中堂
東京都台東区谷中5丁目4-3
03-3822-2297
営業時間:10:30~17:30
定休日:月曜(月曜が祝日の場合は翌日定休)
https://www.yanakado.com/m_yanakado.html

【4】亀の子束子 谷中店

それから、根津エリアを目指して数々のお寺が立ち並ぶ通りを歩くこと約10分。情緒あふれる景色を見ながら、もうひとつ気になっているお店へ向かいながらゆったりおさんぽします。

最後は、根津駅のほど近くにある「亀の子束子 谷中店」に立ち寄りました。もともとは谷中の有名な路地「へび道」にあった店舗ですが、2020年に移転リニューアル。根津エリアでは、築75年の銭湯を改装した店舗で営業しています。

開放感のある店内は、たわし屋さんとは思えないほどオシャレな雰囲気!

思わず「本当にたわし屋さん?」と看板を二度見してしまいそうに。たわしはお掃除道具であることから、店内も清潔感を大切に、こだわり抜いた造りとなっています。

店内には、昔ながらの「亀の子束子」を始め、数多くのオリジナル商品が並んでいます。それにしても、ディスプレイが雑貨屋さんのようにオシャレ~!

店内に飾られていた、本店の写真。

現代ではおなじみのたわしですが、初めてこの形の束子を作ったのは「亀の子束子 西尾商店」が元祖なんです。そのため、正式に「亀の子束子」と呼べるのは「亀の子束子 西尾商店」が作っているたわしだけなんだそう。

ところで、たわしが何から作られているかはご存じですか?

実は、主なたわしの素材はパーム(ココナッツ繊維)なんです! なんだか意外ですよね。パームで作られたたわしはかたくて丈夫なのが特徴で、鉄のフライパンを洗うときや、サトイモやゴボウなど根菜類の薄皮をむくときなど、ゴシゴシと洗うのに適しています。

手前がサイザル麻、真ん中が棕櫚、奥がホワイトパームで作られたたわしです。

一番ポピュラーなのはパームを使ったたわしですが、たわしはかたさや素材によって主に3種類に分けられています。パームよりもやわらかく、しなやかに洗えるのが棕櫚(シュロ)を使ったたわし。野菜の薄皮を残し泥だけ落としたり、ガラスや陶器・木製のまな板を洗ったりと、家庭に一個あると大活躍します!

また、3種類の中で一番やわらかいのがサイザル麻で作られたたわし。サイザル麻は油をはじくので、カレーやミートソースなど油汚れのひどいお皿やフライパンの予洗いに適しています。また、体を洗うために使われることも多い素材です。

キッチン用のたわしはもちろんですが、それらと並んで人気なのが「ボディたわし」。ボディたわしを実際に使った方からは「お肌がツルツルになった」「血行が良くなって、むくみが取れた!」「疲れが癒された」など、健康にも美容にもうれしい声が続々あがっているんだとか。

洗うだけでそんなにうれしい効果があるなら、気になっちゃいますよね~!

また、サイザル麻のたわしは水を含むとさらにやわらかくなり、本来の使い心地がわかります。そのため、店内にはキッチンを完備。実際に水を含ませて使い心地を試せるので、おうちで使うイメージがつきやすいのはうれしいですよね!

さらに店内にはカフェも併設されていて、お買い物の途中にコーヒーやお菓子を楽しみながら休憩することができます。コーヒーは「やなか珈琲店」のオリジナルブレンド、お菓子も谷根千エリアで人気のベーカリー「ボンジュールモジョモジョ」や「Succession(サクセション)」などで作られたこだわりの一品です。

谷根千エリアらしい、地域のお店同士の交流も心温まります♪

「草加健康センター」のラッコと、「亀の子束子」の亀のコラボレーションがかわいい♡

ほかにも、店内には埼玉・草加の人気温浴施設「湯乃泉 草加健康センター」とコラボレーションしたタオルやアパレル、サウナハットなど、意外性のあるユニークな商品が並んでいます。

たわしだけではなく、想像もしていなかった商品と出合える同店。立ち寄ったら、ついつい時間を忘れてお買い物してしまうこと間違いありません!

亀の子束子 谷中店
東京都文京区根津2-19-8 SENTOビル1階A
03-5842-1907
営業時間:11:00~18:00
定休日:無休
https://www.kamenoko-tawashi.co.jp/

最後は根津駅まで歩き、今日のおさんぽは終了。おさんぽコースとしては定番の谷根千エリアですが、新しい発見はありましたか? 今回立ち寄ったお店はすべて、商品はもちろんですがお店の方たちもとても素敵で温かかったので、ぜひ一度おさんぽに訪れてみてくださいね♪

おさんぽのおさらい

行程:1.6km
所要時間:20分+買い物+絵付け体験
予算:3,000円

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さんぽに行ったライター

北海道出身のお散歩ライター。知らない街をふらりとお散歩するのが好き。