【子どもといっしょ】箱根でのんびり温泉一泊二日の旅・後編

政府からの緊急事態宣言を受けて、おうちで過ごすことが多くなっていた春。これからはようやく、外出が少しずつ叶うようになりそうです。

今回ご紹介する「箱根小涌園 天悠」では5月末日までの休業を決めていますが、6月からは日数を限定して再開するとのこと。前編のおさんぽルートでは、営業時間短縮や休業を6月以降も継続する店舗もあります。しかしながら、また事態が好転したら箱根へ足を運んでもらいたい、大好きな観光地がどうか持ちこたえてくれるように、という気持ちをこめて、記事を公開することにしました。

記載してあることはすべて取材時の情報に基づくものですが、バーチャルなおさんぽを楽しんでいただけたら嬉しいです。

今回のおさんぽルート

箱根湯本駅→①箱根湯本駅周辺→②箱根小涌園 天悠→箱根湯本駅
※コロナウィルスの感染拡大を防ぐため臨時休業している施設もあります。また、政府から要請がある間のお出かけは自粛いただけますようお願いいたします。

箱根湯本駅周辺をぐるりと楽しんでから向かったのは、本日のお宿「箱根小涌園 天悠」。箱根湯本から20分ほどバスに乗り、「小涌園前」か、館内で繋がっている「ユネッサン前」で降りて歩きます。

2017年に開業したばかりの新しい温泉宿で、なんと全室に温泉の露天風呂がついているんです。どの部屋に泊まっても見晴らしがよく、快適に過ごせるように設計されているので、お部屋も安心してお任せできます。

エントランスロビーにはハーブティーやコーヒーのサービスが。窓の外を流れる滝を見ながら、のんびり静かに過ごすことができます。お茶の種類が時間によって変わるので、お風呂に入ったあとに来たり、夕食前にちょっと立ち寄ったり、何度も寄ってしまいそう。

まずは、お部屋に案内していただきました。今回宿泊したのは、ロビーより階下にある特別客室。ホテルでいうスイートルームのようなお部屋が6室あり、一部屋一部屋のデザインが違います。

わたしたちのお部屋は「仙石原」。6室それぞれに、「宮ノ下」「大涌谷」「芦ノ湖」などと箱根の地名がついているんです。仙石原は、広大なすすき野原をイメージしたツインルーム。さて、どんなお部屋でしょう。

和室にリビングソファとダイニングテーブルがある、広々とした空間。この二部屋を繋ぐ扉のところがアーチになっていて、お月さまを表しているのだそう。


この他にベッドルームもあり、シングルベッドが二台入っています。ベッドルームとリビングが分かれていると、子どもたちを寝かせたあと飲んだりテレビを見たりとゆっくりできるんですよね。

こんな素敵なウェルカムボードも。子どもたちは「どうやって作ったんだろう!?」と歓声をあげて喜んでいました。

こちらはお風呂。内湯とシャワーがあり、外には露天風呂が。

外湯は24時間お湯が循環しているので、いつでも「入りたいな」と思ったら入れるのが本当に贅沢。お風呂の隣には、外から覗かれる心配なく涼める場所も。足を伸ばしてゆったりお風呂に入れるのはしあわせ。

折り紙やトランプ、パズルゲームなどもお部屋に備えてありました。

お部屋の探検をしていると、スタッフの方が点ててくださったお抹茶が届きました。

まず何をしようかスタッフの方に相談すると、箱根を代表する工芸「寄木細工」のハガキづくりができるワークショップがあるとのこと。早速子どもたちと参加することにしました。

寄木細工のハガキづくりは、木製ハガキに寄木細工のシールを貼って作ります。……と言うとなんだか簡単そうに聞こえますが、デザインに凝りはじめると全然終わらない! のんびりゆっくり、リラックスしながら作るのがオススメです。

ワークショップはエントランスロビーで、のんびりコーヒーなどをいただきながら参加できます。

はじめに、木製のハガキをどれにするか選びます。天然木なので、一枚一枚風合いが違い、色や木目の出方などを見ながら選んでいきます。

細やかな模様と木の自然な色が美しい。

次に、寄木細工のシールを選びます。裏面はシールなのですが、表面は木でできています。木を寄せ集めて固めたものを、薄くスライスしてシールにしている、という状態。

こんなふうに木々を組み合わせて寄木にし、断面をスライスするんです。

ちなみにこちらの寄木細工は、寄木細工職人・OTA MOKKO(太田木工)の太田憲さん・海さんご夫妻の作品。伝統的な柄でありながらも、温かくてやさしい風合いとモダンなデザインが若い人たちにも人気です。昔の寄木細工は箱根の木だけで作っていたそうですが、OTA MOKKOでは海外の木材も取り寄せているそう。

スタッフの方のお手本を見ながらシールをカットし、木製ハガキに貼っていきます。4才でもじょうずにできました!

さて、そんなこんなしているうちに、夕食の時間でした。今日夕食をいただくのは、天悠別館の「蕎麦 貴賓館」。こちらは大正時代、藤田平太郎男爵の別館として建てられた国登録有形文化財建造物なんです。

こんな贅沢な空間で、旬の食材がたっぷりの八寸からコースがはじまります。

山菜や旬のホタルイカなど、一つひとつ丁寧にいただきたいお味です。

4才には、キッズプレートが。これがなんとまあ子どもの好きなものばかりがたっぷりのっていて、食べきれないほど。

北海道産の石臼で挽いた蕎麦粉を使ったお蕎麦は、歯ごたえがよく、しっかりと蕎麦粉の香りが感じられる一品。ランチで立ち寄ることもできるので、ここに来たら、このロケーションでこのお蕎麦は食べてほしい!

お蕎麦のあとはすき焼き。うるいやおかひじきなども入った、お野菜一つひとつを楽しみたいメニューです。

締めはお寿司。子どもにはちらし寿司がやってきました。新鮮なボタンエビが美味しかった……!

デザートには、季節を感じる桜餅と、いちごのパンナコッタ。食べ過ぎるほど食べました!

二階にも日本画が並んでいて、ソファでくつろいで作品を楽しむことができます。

帰りに美術館になっているお蔵を覗かせていただきました。建物自体もとても素敵なので、ぐるりと一周したり、お庭を眺めたり。

お腹がいっぱいになったら、お部屋に戻ってお風呂です。大浴場もありますが、子どもがいると「早く出ようよ〜」と急かされたり、水をばしゃばしゃやって人に迷惑をかけたり……と、なんだかくつろげたようなそうでないような気がしてしまうので、お部屋のお風呂が楽チンです。

浴衣もちいさい子どもサイズから用意がありました。数種類の柄から選べるのも楽しいですよ。

そして子どもたちがベッドでぼんやりしはじめた頃、わたしはお部屋を抜け出して、とあるところへ。

そう、スパルームです。
こちらではフェイシャルやボディのオイルマッサージを受けられるんです。資生堂やミキモトのスキンケア商品を使ったコースもありました。

わたしが選んだのは、薬日本堂が展開しているカガエという漢方ブランドのオイルを使ったマッサージ。シャクヤクやヨクイニンといったオイルが、身体にじんわり染み込みます。

ちなみに男性の施術もOKというのがめずらしいところ。家族やカップルでいって一緒にマッサージしてもらうのもいいですよね。

ぼんやりと庭園を見ながらくつろいでいたら、時間を忘れてしまいそう。

マッサージのあとに立ち寄りたいのはここ、ラウンジです。特別客室に宿泊すると、ジュースなどのノンアルコールドリンクはフリーで、アルコールも一杯までお楽しみいただけるそう。

のんびりして帰ってみると、子どもたちはもううつらうつら。わたしは子どもたちを寝かしつけてもう一度お風呂に入り、星空を楽しみました。

翌朝はパンケーキからスタート。子どもの洋食メニューです。大人はオムレツにパン。そしてグリル野菜やポトフなど、ボリューム満点。
※普段はブッフェスタイルの朝食なのですが、取材時は個別提供に切り替わり、当面このスタイルで行うそうです。

さて、のんびりできた箱根にもさようならを告げるとき。
また箱根湯本までバスで戻って、ロマンスカーに乗り込みます。

やったー! 展望席があいていた!(けど、迫力満点でけっこう怖い)

最後にご紹介したいのがコレ。箱根湯本駅にある「箱根カフェ」で買える寄木細工模様のキューブパン。とってもかわいいので、お土産にもいいですよ。

さて、前編後編と長きにわたって紹介してきた箱根、いかがでしたか? まだまだ安心してお出かけできる日は遠そうですが、観光地は(そうでなくてもですが)大変な思いをしていることと思います。出かけていいタイミングが来たらぜひ、立ち寄ってみてくださいね。

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さんぽに行ったライター

ライター・料理家。 出版社に勤務したのち、フリーライターに。食をテーマにした記事やグルメ取材、食品パッケージのコピーなどの執筆のほか、「野菜をもっとおいしく」をモットーに、レシピ開発や撮影のフードスタイリング・調理にも携わる。ロケ弁やケータリングフードを作る「オウチゴハンヤ」も時おり開業。4歳と12歳の母でもある。