子どもが自然に触れ合える、向ヶ丘遊園駅の「生田緑地」さんぽ

我が家には3歳と10歳の子どもがいるので、休日に出かける場所を選ぶとき、いつも「年齢差のあるふたりともが楽しめるところ」という問題がつきまといます。これが実は意外と難しくて、どちらもが満足できる施設はそう多くはありません。今までいろいろなところを子どもとさんぽをした中で、ふたりとも楽しめたのが、「向ケ丘遊園駅」から歩いていける『生田緑地』。なかなか自然を満喫できるところが少ない都会で、自然の学びにもつながるこの場所を中心に、生田の街をさんぽしてみました。

今回のおさんぽルート

登戸駅(生田緑地口)→①ヒッコリーファーム登戸店→②生田緑地→③かわさき宙(そら)と緑の科学館→④ベーグルカンパニー→向ケ丘遊園駅(南口)

行程:3.3km
歩数:6,000歩
所要時間:43分+食事、遊び
予算:5,000円(親子で)

おさんぽのスタートは小田急小田原線の「登戸駅」。下り電車で来ると、広々とした多摩川の川岸が見えるので、車窓からの景色も楽しめますよ♪ すぐそばに「川崎市 藤子・F・不二雄ミュージアム」があるので、駅にはドラえもんをはじめとするキャラクターのボードなどが飾られています。

小田急小田原線に乗ると、時折すれ違うロマンスカーに子どもは大興奮!
写真撮影スポットの多い登戸駅。

1キッズスペースのある子どもに優しいピザレストラン

まずは腹ごしらえから。11時オープンのピザレストラン「ヒッコリーファーム登戸店」まで歩いていきましょう。駅から線路沿いの道を通って、徒歩4分でお店に到着。地元の人に長年愛されてきたとあって、誕生日やクリスマスなどには親子三世代でお祝いするお客さんも多く、広々とした店内です。

かわいい一軒家のレストラン。40年前から変わらないイラストの看板。
我が家のリビングのようにホッとできる空間と、店員さんたちの優しさが、子連れにはありがたい。

 

 

 

 

 

 

なんとこのお店には、子どもが遊べる“えほんのくに”というスペースがあるんです。絵本やすべり台が置いてあり、ガラス越しにキッズルームを覗ける席もあるので、子どもを遊ばせながら安心してゆっくり食事が楽しめます。「せっかくおいしいものを食べに来たのに、『席に座りなさい』などと怒ってばかりでは、保護者の方も疲れてしまいますよね。子どもにとっても、外食が窮屈なものになってしまうので、オープン当初からお子さんも楽しめる空間づくりをしています」(ヒッコリーファーム鏡田さん)

ランチタイムは賑やかですが、お店の方も他のお客さんも子どもたちを温かく見守ってくれます。子どものピザ作り教室もしているので、ホームページでチェックして。

ランチはコースもありますが、ピザはS、M、Lサイズで注文できるので、Sサイズのものをいくつかオーダーすると、たくさんの味が楽しめて嬉しい。サイドメニューでは、もちもちしたアメリカンタイプのピザ生地を丸めて焼いた、ふっくらしたパンのようなパーネがおすすめ。

マッシュルームやスモークチキンたっぷりの「シェフサラダ(税込745円)」と、「かぼちゃのグラタン・小皿(税込518円)」、「パーネ(税込216円)」を注文。かぼちゃのグラタンはホクホク甘くて小さな子どもに人気。
ピザは魚介のたくさんのった「ソフィアローレン・Mサイズ(税込2009円)」。新鮮な魚介の旨味とチーズがよく合います。

 

 

 

 

 

 

 

子ども椅子のほかに、ベビーベッドも準備があるそうで、ねんねの赤ちゃんも楽ちん。
デザートはすべてお店で手作りされたもの。手前から「アイスミルフィーユ(税込540円)、濃厚な「チョコレートムース(税込496円)」、オープン以来人気の「かぼちゃパイ(税込432円)」。

 

 

 

 

 

 

 

ヒッコリーファーム 登戸店
神奈川県川崎市多摩区登戸3253
044・900・1727
開館時間 11:00-22:00L.O.
定休日 年中無休
https://www.hickory.co.jp/shop/noborito/noborito_top.html

🐾

ゆっくりランチを楽しんだら、腹ごなしに少し歩きましょう。次のスポット「生田緑地」の入口までは1.3キロ。いい運動になりますよ。

自然を感じられる長閑な道が続きます。緑が多く深呼吸すると気持ちいい。
川でサギやカモなどが水浴びしていることもあるので、子どもたちもおさんぽに飽きません。

 

2美術館や民家園、プラネタリウムなどまわりきれない広さの生田緑地

「生田緑地」には、『岡本太郎美術館』や『伝統工芸館』など、さまざまな施設があり、そのひとつひとつがとても充実しているので、一日で全部をまわりきるのは大変。今回はその中から、生田の自然が学べる科学館とプラリタリウムが楽しめる『かわさき宙(そら)と緑の科学館』に絞っておさんぽを楽しみましょう。

生田緑地の入口に到着! プラネタリウムのチケットは、左手にあるビジターセンターで購入できます。
科学館の建物前には、噴水で遊べる場所があるので要注意! 絶対にびしょびしょになるので、着替えとタオル持参で行きましょう。
科学館の建物に入るとすぐに見えるのが、昔ここで使われていたプラネタリウムの投影機。30年間にわたり活躍していた機械です。ボタンを押すと動かすことができます。

この建物内にあるプラネタリウムは、川崎市出身のプラネタリウムクリエイター大平貴之さんによって制作された、世界最高水準と言われる最新機種の投影が楽しめます。星空の美しさもさることながら、星の明るさや色にも忠実なので、貸し出しの双眼鏡を使って夜空を眺めることをおすすめします。普段肉眼では見られない光の弱い星も見ることができたり、子ども向けの投影もあるので、チェックしてみてくださいね♪ プラネタリウムは、「一般(税込400円)」で、中学生以下はなんと無料!

科学館2階には、星空について動画やパネルで学べるコーナーや、星や空に関する本を読むベンチも。外に出て生田緑地の緑を眺めることができる「自然観察テラス」もあります。
1階では、多摩川や生田で見ることのできる動物や昆虫、魚や植物などの展示が楽しめます。クイズ形式になっていたり、パネルを開いたり遊びながら学べるので、幼児も退屈しませんよ。

科学館の中をじっくり見ていると、あっという間に時間が過ぎてしまいます。科学館内には小さなショップも併設されていて、宇宙食や星見表、惑星のポスターやハガキなどを購入することができます。

さて、たくさんお勉強したら、いったん外に出てみましょう!  屋外にはD51(デゴイチ)と呼ばれるSL機関車と、実際にむかし使われていた国鉄の車両・ブルートレインが見られます。

SLのほうは、中に入ったりのぼったりはできないけれど、この大きさに迫力を感じます。
ブルートレインには乗車可能で、レトロな空間が楽しめます。

 

 

 

 

 

生田緑地のいたるところにあるのが、この「森のちいさな図書館」。巣箱のような図書館には本がぎっしり。借りて読むこともできますが、お気に入りの本があったら、自分の持っている本と交換し、好きな本を持ち帰ることができます。

遊んでいる子どもたちを眺めながら、科学館に隣接している「cafe星めぐり」で飲み物を買ってママは休憩。テラス席があるので、子どもたちがのびのびと遊びまわる姿をゆっくり見守ることができます。

「メロンソーダ(税込378円)」の他にも、星座にちなんだ名前のパフェや、星をかたどったパンケーキなど、期間限定も含めてプラネタリウムにまつわるスイーツが楽しめます。
生田緑地
神奈川県川崎市多摩区枡形7-1-4 
044・933・2300(東口ビジターセンター)
開館時間 9:30-17:00(かわさき宙と緑の科学館)
「cafe星めぐり」は10:00~18:00(12月~2月は17:30まで)※L.O.は30分前
定休日 月曜・祝日の翌日・年末年始
http://www.ikutaryokuti.jp/

🐾

夕方までみっちり遊んだら、帰りにおいしいものを買って帰りましょう。帰り道は、登戸駅ではなく、ひとつ小田原寄りの「向ヶ丘遊園駅」を目指します。

生田緑地を出たら、緑地に沿うようにある狭い道を抜けていくのが近道。車が入ってこないので、子どもと草花などを楽しみながら帰ります。

3そのままでもサンドでもおいしいベーグル専門店

駅に向かう途中に立ち寄れるのが、この「ベーグルカンパニー」。小さなお店にぎっしりと並んだ天然酵母のベーグルは、いろいろな味があってどれもおいしそう。明日の朝ごはん用に買っていきましょう。

北海道小麦を天然酵母で発酵させたベーグルは、もちもちの食感。ひっきりなしにお客さんがやってきて、夕方には売り切れてしまうことも。素材もなるべく低農薬や無農薬で作られたものを使いたいと話すオーナーの茶野さん。

地元の農産物を積極的に使っているので、旬の素材を使った新しいベーグルが毎月のように登場します。8〜9月は、枝豆や生の無花果、バジル、パッションフルーツなどのベーグルが並びます。そのままでも楽しめますが、スライスしてハムや野菜を挟んでさまざまな味が楽しめるよう、工夫して作られています。

天然酵母のスコーンやマフィン、プリンなどのスイーツも充実しています。
「博多明太子クリームチーズ(税込320円)」や、「ほうじ茶あんこ(税込320円)」など、変わったベーグルが楽しい。
翌日の朝食はベーグルで。ぎゅっと詰まった生地はほんのり甘くて、歯切れがよいので子どもたちも大好きに。
ベーグルカンパニー
神奈川県川崎市多摩区東生田1-2-12-101
044・900・8700 
営業時間10:00~19:00(売り切れ次第終了)
定休日 日・月
http://bagelcompany.jp/

🐾

それでは「向ヶ丘遊園駅」に戻りましょう。

 

向ヶ丘遊園駅の南口に到着! 登戸よりは小さい駅ですが、ロータリーには商店街やスーパーが並んでいます。

*****

広すぎる生田緑地には、子どもたちが楽しめる遊び場がたくさんあるので、ぜひ何度か足を運んでみてくださいね。緑地内では、蛍を見ることができたり、蝉の羽化が見られたり、紅葉狩りができたりと、季節によって楽しみ方もいっぱいあります。科学館では、星を見る会などの催しも定期的に開催しているので、夜のお出かけもおすすめですよ。

おさんぽのおさらい

登戸駅(生田緑地口)→①ヒッコリーファーム登戸店→②生田緑地→③かわさき宙(そら)と緑の科学館→④ベーグルカンパニー→向ケ丘遊園駅(南口)

行程:3.3km
歩数:6,000歩
所要時間:43分+食事、遊び
予算:5,000円(親子で)

 

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さんぽに行ったライター

ライター・料理家。 出版社に勤務したのち、フリーライターに。食をテーマにした記事やグルメ取材、食品パッケージのコピーなどの執筆のほか、「野菜をもっとおいしく」をモットーに、レシピ開発や撮影のフードスタイリング・調理にも携わる。ロケ弁やケータリングフードを作る「オウチゴハンヤ」も時おり開業。4歳と12歳の母でもある。