豪徳寺をさんぽして見つけたしあわせ感じるアートなもの

小田急線豪徳寺駅は、招き猫発祥の地と言われている曹洞宗の寺院にほど近い駅。東急世田谷線の山下駅と隣接していて、豪徳寺に向かう山の下にある駅だったことから、山下と名づけられたとか。駅から左右に伸びる商店街には、古くからある店と新しくできた店がなかよく隣りあっています。

とても小さなエリアなのですが、今日はそんな豪徳寺で、見つけたらちょっとしあわせを感じちゃうアートな一品を探しにいきましょう。

今回のおさんぽルート

豪徳寺駅→①うつわのわ田→②Gould→③コトリベーカリー→④SAKATAYA1793→⑤HOLIC color drinks→豪徳寺駅

行程:1.0km
歩数:3000歩
所要時間:20分+食事、お買い物
予算:2000円ほど

豪徳寺駅を境目にして、山下商店街と豪徳寺商店街のふたつの商店街にわかれている駅前通り。駅を降りると、改札口で大きな招き猫がお出迎えしています。

右手をあげているのが豪徳寺の招き猫の特徴。お客さまを呼ぶ、という意味なのだそう。

まずは山下商店街を通り抜け、豪徳寺在住の友だちに聞いたお目当てのお店へ。どうやらここに、わたし好みなものがあるとか。

1 おいしいものが見えてくる、クリエイティビティー溢れる器

はじめに伺ったのは、沖縄のやちむんをはじめとした和食器をセレクトしている「うつわのわ田」。このお店のオーナー、和田さんが趣味で集めてきた器の窯元さんのものや、和田さんご自身がデザインした焼きものなど、思わず手にとって土や石の温かみを確かめたくなる器がたくさん並んでいます。

器を見ていると、そのお皿に似合うおいしいものが見えてきてしまうから不思議。早速おすすめの品を見ていきましょう。

棚にずらりと並んだ焼きものは、7割くらいが九州や沖縄から集めてきたもの。
沖縄県南部で作陶している石倉陶器所、石倉一人さんの作品。すべて沖縄の原料を使い伝統を守りながらも、どこか新しさを感じる風合いです。あまりの美しさに溜息が。なかなかお目にかかれないので、運命を感じたら買っておくのが◎。
こちらは福岡県桜秋窯のもの。3年前にデビューしたばかりの方の作品で、ピッチャーや湯のみなど、和田さんがデザインしたものもあるんです。
壁一面にはカップや蕎麦猪口、ぐい呑など、さまざまな器が。

このお店で見つけたしあわせアートな品は、福岡県桜秋窯で作った招き猫のお箸置き。このお店のオリジナルで、ここでしか購入できません。こんなにかわいいお箸置きが食卓にのぼったら、ごはんも楽しく賑やかになりそう。ちょっとしたおみやげにもぴったりですよね。

せたがやみやげにも認定されているんですよ。ひとつ500円です。

器は、ふと割れてしまうことがあるので、高価なものを迎えるのには勇気がいるかもしれません。でも、魅力的な器って、食事を何倍にもおいしそうに演出してくれるんですよね。

陶器のざらざらした感覚、磁器のつるりとした手触り、それぞれのよさがあるのも和食器のよいところです。

うつわのわ田
世田谷区豪徳寺1-49-2トリアドムス102
090-6654-1492
営業時間 11:00~19:00 冬季(11月ー2月)の日曜日は18:00閉店
定休日 水曜
https://utsuwanowada.jp/

2 自分だけの一着を見つけたい、ストーリーのある古着

次に向かったのは、古着のショップ「Gould」。天才ピアニスト、グレングールドから名づけられたこのお店は、下北沢の古着屋さんで長く勤めていたオーナーさんがおよそ1年前にひらきました。

小物や帽子、靴などもお店を彩っています。
これなんだろう? と思うものを見つけるのも楽しい。

レディースを多く扱うGouldですが、3〜4割はメンズのものも。
わたしはファッションには詳しくないのですが、古いものは好き。洋服に限らず、これがどんな場所で作られて、どんな人の手に渡りここにきたのか、という物語を想像するだけで楽しくなってきませんか?

そんなGouldで見つけたアートなものは、このコート。コーチのブランドデザイナーだった方が作ったもので、よく見るとボタンの形がコーチのバッグを彷彿とさせます。ポケットの形にも、まさに一点物と呼ぶべき斬新な工夫があり、大量生産されたものにはないデザインのこだわりと縫製のよさを感じました。

どんな人たちが着て、どうやって日本にやってきたのでしょう。

買い物をオンラインでする機会が多くなってきた中でも、古着はサイズや状態がまちまちなので、お店で触れてみたり試着してみたりしたいもの。オーナーはそうして「実際に見て買うという買い物の楽しさ、お店を見に行く楽しさを知ってほしい」と話してくれました。

お客さまがすぐ着られるように、仕入れた古着も修繕して洗い、きれいに整えた状態で並んでいました。簡単なお直しもオーナーに相談できるので、好みの一着を自分のからだに合わせて着ることができそう。

Gould
世田谷区豪徳寺1丁目35−3
03-5426-4440
営業時間 13:00~21:00 日曜祝は12:00~20:00 
定休日 木曜
https://www.instagram.com/gould.gotokuji/

さて、少しうろうろしながら駅のほうに戻ってみましょう。

豪徳寺には、常に雑誌やwebで特集が組まれるほど人気のお店が多々あり、そこに新しいお店が転々とできて進化を遂げています。豪徳寺と言えばあの店、というくらい有名なパン屋の「uneclef」や、最近uneclefがオープンした雑貨屋さんなどもありました。

うろうろしていると、どこかで見たことがあるお店が。
そうそう、ここは孤独のグルメに出ていた定食屋さんでした。

孤独のグルメでは海鮮丼が出ていたとのことだったので、海鮮丼を。魚介が豪快に盛りつけられています。ハンバーグや生姜焼き、さまざまな定食があってどれもおいしそうでした。

3 ちいさくてかわいいサイズのパンがずらり

歩いているうちに見つけたもう一軒は、新しくできたばかりのコトリベーカリーさん。世田谷の瀬田に本店があり、こちらは1年前にできたのだとか。

ひとくちサイズのパンには、自家製のジャムチーズ。

ぱくっと一口で食べられるものから、お昼にしっかりいただきたいもの、おうちでカットして食べたいバゲットや食パンなどがいっぱい。
豪徳寺店にはイートインもできるスペースがあり、フレンチトーストやアフォガードなどもいただけます。窓が広いので、ゆっくりコーヒーを飲みながら豪徳寺の街を眺めるのもよさそう。

コトリベーカリーで見つけたアートな一品はこちら。ちいさなキューブ型のパン。左側は、クリームチーズを詰めた姫りんごの入ったブリオッシュ、右側はショコラバナーヌ。パンというよりスイーツの容姿をしたかわいらしさですよね。

懐かしの揚げパンも思わず食べたくなってしまう。

コトリベーカリー
世田谷区豪徳寺1丁目46−17
営業時間 11:00~17:30
定休日 日曜日(不定休あり)
https://www.instagram.com/kotori.bakery/

さて、それでは駅の方に戻ってみましょう。
豪徳寺の商店街はちょっとした時間でまわれる広さなので、時間がたくさんとれないときでも、ふらりとさんぽが楽しめるのがよいところ。

ここは有名な焼き鳥屋さん。とってもおいしいんですよ。

4 週末しかオープンしない、新潟の本格和菓子

続いて紹介するのは、新潟で職人さんがつくったお菓子が並ぶ、「SAKATAYA1793」さん。

昨年5月にオープンしたばかりで、実はオーナーが新潟本店で和菓子職人として今も働いているため、豪徳寺店は週末だけ開かれているんです。

なんのお店だろうとささやかれていた素敵な佇まい。

大正時代のケーキスタンドに入って売られている3種類の和菓子。常時3〜4種類を販売しているそうですが、いずれも新潟本店で作られ、その日のうちに豪徳寺店に並んでいます。ちいさなお店ながら、この上質な空間にうっとり。

並ぶものは季節によって変わりますが、これからの時季におすすめなのは、桜もち。新潟では年末年始にいただくお菓子だそうですが、東京では春のお菓子として人気がありますよね。

なるべく地元のものを、と考えていらっしゃるSAKATAYAさんでは、どのお菓子にも新潟で10年前から作付けしている「ときあかり」という小豆を使っているのだそう。

この日購入したのは、あん焼き(上)といちごわらび(下)。あん焼きは、まるでパウンドケーキのように見えますが、れっきとした和菓子なんです。小麦粉は少量しか入っておらず、生地は白あんと卵やバターでできています。

そこに、季節によって香りのものやフルーツを合わせているのですが、取材日にいただけたのは、無農薬で育てられたバラとローズヒップの入ったもの。一口食べただけでも、上品で主張しすぎないバラの香りがふわっと漂い、やさしい甘みととてもよく合いました。白あんでできているのでケーキよりもしっとりとしています。香りのある和菓子には、やっぱり珈琲でなく抹茶や煎茶のようなものが似合うかも。

「ひとつからでも購入できますし、季節によって違うものが並んでいますから、気軽にのぞいてください」とオーナーさん。どの和菓子も美しくて、宝石をみているような気分でした。

SAKATAYA1793
世田谷区豪徳寺1-43-7
営業時間 13:00~20:00(不定期)
金・土・日のみ営業
https://sakataya1793.com/

さて、最後は高架下をくぐり、豪徳寺商店街のほうへ。2017年にオープンした人気のスムージー屋さんなのですが、これがただものじゃないお店だったのです。

スムージー屋さんは、この市場の奥にあるのです。

5 身体が喜ぶ! 色彩を取り入れて美しくなるスムージー

お店の入口にある看板には、色とりどりのスムージーの写真が並んでいます。あまりに種類が豊富でどれもいただいてみたく、決めるのに時間がかかってしまう!! 「ゆっくり今のご自分に合ったものを決めてください」とニコニコしてくださるのは、ニューヨークで美容師をしていた経歴を持つオーナー。

美容の仕事に携わりながら、調理師として料理の世界にもいたオーナーさんは、色彩心理学も深く学んできた方。色彩心理というと占いのように感じてしまう方もいると思いますが、そうではなく、しっかりとしたエビデンスのある学問なのです。

色彩心理を学ぶなかで、体調を整えたり、リフレッシュやリラックス、活力を得るために色彩が使えないか、と考えた末に生まれたのが、このスムージー屋さんだったのです。

わたしが注文したのは、ヒーリンググリーンという緑色のスムージー。鮮やかな緑色は小松菜で、すべてのスムージーが野菜や果物の色を活かしてできています。お砂糖などの甘味料も一切入っていないのが嬉しいところ。こちらは麹甘酒入りで作っていただいたので(豆乳だけで作るタイプもあり)、甘酒の香りとコクが楽しめます。

ちなみに緑色は、気持ちをすっきりリフレッシュできる色。他にも、元気になりたいときの赤(いちごとトマトジュース)や、穏やかな気持ちを保ちたいときのホワイト(りんごとバナナ)などがありました。

特筆すべきは、何と言っても味がおいしい! 女性のお客さまが多いのかな? と思っていたのですが、普段の生活で野菜がなかなか採れない男性にも人気だそう。ご近所に住んでいらっしゃる方が朝欠かさず買って行ったり、近くのフィットネスクラブに行ったあとに寄る方も、取材中にいらっしゃいました。

健康のため、身体のためとがんばって飲むのでは足が遠のいてしまって続かないので、おいしくて続けていたら身体によかった、っていうのは本当に理想的。色彩心理学の講師や美容アドバイザーとしての活動もなさっているオーナーのお話を伺うのも楽しいですよ。

そしてスムージーもいいけど、わたしが大好きなソフトクリームも! 招き猫クッキーが添えられたソフトクリームはあっさりとしたお味で、自家製のジンジャーコンフィチュールがたっぷりのっていました。クッキーだけでも販売しているので、おみやげにもどうぞ。

甘すぎず、ピリリと生姜の辛味と食感が美味しいジンジャーコンフィチュールは、お湯割りで温かくいただくこともできます。生姜たっぷりの飲み物は、身体の中までぽかぽかにしてくれそう。

Holic Color Drinks
世田谷区豪徳寺 1-22-5
営業時間 11:00~20:00
定休日 火曜・水曜
https://www.holic-colordrinks.com/

ちょっとしあわせ感じるアートなモノ探しの豪徳寺、いかがでしたか?

紹介した以外にもまたまだたくさんのお店やスポットがあって、実は今回ご紹介するお店を選ぶのも大変だったほど。ぜひじっくり歩いて、ちょっしたしあわせなモノを見つけてみてくださいね。

おさんぽおさらい

豪徳寺駅→①うつわのわ田→②Gould→③コトリベーカリー→④SAKATAYA1793→⑤HOLIC color drinks→豪徳寺駅

行程:1.0km
歩数:3000歩
所要時間:20分+食事、お買い物
予算:2000円ほど

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さんぽに行ったライター

料理家・ライター。 出版社に勤務したのち、フリーライターに。食をテーマにした記事やグルメ取材、食品パッケージのコピーなどの執筆のほか、レシピ開発やフードスタイリングにも携わる。ロケ弁やケータリングフードを作る「オウチゴハンヤ」も時おり開業。自作のオススメ料理は野菜を使ったお惣菜。カヌレやシュトレンなどのお菓子やパンを焼くのも好き。4歳と12歳の母でもある。