泉岳寺から高輪ゲートウェイへ!のんびり歩く、歴史と未来をつなぐおさんぽ

“赤穂四十七士ゆかりの寺院”泉岳寺と“東京の新スポット”高輪ゲートウェイ、実は歩ける距離にあることを知っていますか。実際に歩いてみると、その距離の近さに驚くはず。由緒ある寺院の静けさから、ガラス張りの駅舎の開放感へ、景色の切り替わりがはっきりとしています。

今回は、この不思議なコントラストを楽しみながら、坂道の多い住宅地を通って歴史ある消防署にも足を伸ばしてきました。歴史と現代、未来が同居しているのがこのルートの面白さです。ぜひ、ご覧ください。

今回のおさんぽコース

都営浅草線「泉岳寺駅」→①【泉岳寺】→②【赤穂義士墓所】→③【高輪消防署二本榎出張所】→④【洞坂・桂坂】→⑤【ニュウマン高輪】→⑥【蕎麦豊田】→⑦「365日とCOFFEE」→JR山手線・JR京浜東北線「高輪ゲートウェイ駅」

行程:2.2km
歩数:7500歩
所要時間:約35分+休憩
予算3000円

泉岳寺駅(都営浅草線)

私にとって、今まではどこかへ行くときの通り道だった「泉岳寺駅」ですが、今回、初めて降りてみました。駅名にもなっている「泉岳寺」までは徒歩5分。「高輪ゲートウェイ駅」も目と鼻の先にあります。

駅で目にした1枚の看板です。そこには、堂々と「赤穂義士47人」の名前がずらりと並んでいました。

①泉岳寺

左側が中門で、右側が山門です。2つの門を通って本堂に向かいます。

本堂で参拝を。正面の「獅子吼(ししく)」の額はお釈迦様の説法を指すそうです。

御朱印は書き置きがないので、御朱印帳に書いてもらいました。御朱印集めをしている方は、御朱印帳を忘れずに持っていったほうが安心です。御朱印代は“お気持ち”で納めます。そして、御朱印をいただく際は、写経をすることになっていました。私自身、写経自体は2度目。集中できるので、心が洗われたような感覚になります。とてもスッキリして落ち着きました。

泉岳寺
所在地:東京都港区高輪2-11-1
電話:03-3441-5560
営業時間:7:00~16:00
定休日:年中無休

②赤穂義士墓所

「泉岳寺」には、忠臣蔵で有名な赤穂義士たちが眠る「赤穂義士墓所」が隣接されています。

線香代は1人300円。48人(47人+1人)のお墓が並んでおり、1基に1~3本お供えします。

途中には「大石内蔵助(おおいし くらのすけ)良雄」の大きなお墓があります。
赤穂浪士たちの名を眺めていると、討ち入りを決意した彼らの姿勢、主君への忠義、そして仲間、それぞれの人生や想いが静かに語りかけてくるようでした。外国人の姿も多く、慣れない日本式のお参りの仕方を係員に丁寧に教えてもらっている姿が印象的でした。

③高輪消防署二本榎出張所

「泉岳寺」から坂道を上って少し歩くと、円形の望楼がそびえるレトロな消防署が見えてきます。昭和8年(1933年)に建てられたドイツ表現派の歴史的建造物で、2010年に東京都選定歴史的建造物に指定されました。

④洞坂・桂坂

坂道が多い港区には名前のついた坂が90近くあり、そこをのんびり歩くのも楽しいです。
洞(ほら)坂は道幅が狭く、車も通りづらい雰囲気でしたが、坂は赤く滑り止め舗装されていました。全長50メートルほどの短い坂で、急な傾斜と細い道幅が特徴です。
桂(かつら)坂は江戸時代以前、蔦葛(つたかずら)が茂っていたため、坂名の由来となったといわれています。

⑤ニュウマン高輪

桂坂を下ると、すぐにニュウマン高輪があります。高輪ゲートウェイ駅直結の商業施設です。
レストランやベーカリー、本屋といった一息つける場所がたくさんあり、広々としているのでゆったりと過ごせて、とてもリラックスできると感じました。

「BUNKITSU TOKYO」は、ブックカフェが併設された広い本屋さん。休日に読書をしながら、ゆったりくつろぐのもいいですよね。本棚の配置もユニークで、店内には文房具店もあったので、文房具好きの私としてはテンションがより上がってしまいました。

絵本コーナーでは、子ども連れのファミリーをたくさん見かけました。

ニュウマン高輪
所在地:東京都港区高輪2-21-1
営業時間:11:00〜20:00(South・North 1F~5F)
※各ショップ・エリアの営業時間はそれぞれ異なります。

⑥蕎麦豊田

ランチはお蕎麦を選びました。ニュウマンの4階にある「蕎麦豊田」です。北海道・茨城・長野など、その季節の最良の国産蕎麦粉を使用した香り高い手打ち蕎麦が有名なお店で、行列ができていました。店内には落ち着いたボックス席や1人でも入りやすいカウンター席もあり、お蕎麦屋さんというよりは高級レストランといった雰囲気です。

私たちは、ランチタイム(11:00~15:00)メニューのミニサラダ付きセットメニューを注文。蕎麦はつるつるとした食感でコシがあり、お店のこだわりが伝わってきました。とてもおいしかったです。

(左)せいろ(税込み990円)、和牛そぼろご飯(税込み660円)ミニサラダ付き
(右)かけ蕎麦(税込み990円)、季節野菜を揚げた天丼(税込み660円)ミニサラダ付き

蕎麦豊田
所在地:東京都港区高輪2-21-2 ニュウマン高輪 South 4F
電話:03-6833-4002
営業時間:11:00~23:00

⑦365日とCOFFEEニュウマン高輪店

ニュウマンの2階に都会的でオシャレなベーカリーを見つけました。国産小麦に契約農家の採れたての野菜や果物、さらにドライリンゴやドライトマト、カレー、クリーム、ハム、ベーコンまでを手作りする本格的なお店です。「365日とCOFFEE」という店名もインパクトがあって、引かれました。

パンを数種類テイクアウトしました。パンのサイズは小さめなのですが、中身がぎっしりと詰まっていてもっちりとした食感がクセになりそうです。

クロッカンカフェ  454円
ハニートースト  432円
クロワッサン  346円
バニラ×クリームパン  314円

365日とCOFFEEニュウマン高輪店
所在地:東京都港区高輪2-21-1 ニュウマン高輪 North 2F
電話番号:03-6450-2314
営業時間:9:00~19:00
定休日は施設に準ずる

高輪ゲートウェイ駅(JR山手線・JR京浜東北線)

2025年3月に本開業した駅。駅周辺は今も再開発が進められていて、泉岳寺方面の歴史ある雰囲気とは対照的で、近未来的なデザインが特徴です。

駅名は知っていたものの、これまで足を運ぶ機会のなかった「泉岳寺」。今回実際にお参りをし、御朱印もいただくことができ、心に残る1日となりました。周辺は閑静な住宅街が広がり、急な坂道が続きますが、その途中に佇む歴史ある「高輪消防署」の建物は、思わず立ち止まって眺めてしまうほど風情があります。

一方で、近年メディアでも注目される「ニューマン高輪」周辺は、洗練されたビジネスエリア。ガラスや植栽を活かした開放的な空気が広がり、同じ高輪エリアとは思えないほどの“新しさ”に出会えます。

そんな二面性の中を歩く今回のおさんぽは、古き良き時代の面影と、新しい都市の活気が交差する、高輪ならではの魅力を感じる時間となりました。

おさんぽのおさらい

都営浅草線「泉岳寺駅」→①【泉岳寺】→②【赤穂義士墓所】→③【高輪消防署二本榎出張所】→④【洞坂・桂坂】→⑤【ニュウマン高輪】→⑥【蕎麦豊田】→⑦「365日とCOFFEE」→JR山手線・JR京浜東北線「高輪ゲートウェイ駅」

行程:2.2km
歩数:7500歩
所要時間:約35分+休憩
予算3000円

 

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さんぽに行ったライター

❖2016年よりライター活動を開始し、出版社にて書籍コーディネーターなども経験。 趣味は読書、ミュージカル、舞台鑑賞、スポーツ観戦、カフェ。